米国のためだけの集団的自衛権よりも、自国を守る自衛権をどう確立するかではないのか、疑問なのですが、どの新聞も取り上げません!集団的自衛権とは米軍と一体となって行動すること、いえ、米軍の傘下、命令下で、例えばシリア、イラクで自衛隊が戦うことになるのは自明の理でしょう・・・。
集団的自衛権「核心」突かれ、笑い飛ばした安倍首相の軽薄さ
安倍首相は10日自民党の高村副総裁と会談し、「『集団的自衛権』という言葉をしっかり入れて、自公合意できるよう頑張ってほしい」と要請した。政府・自民党は、事実上の国会会期末の20日に、集団的自衛権の行使容認を閣議決定するスケジュールを描いている。公明党はまだ難色を示しているものの、安倍は強行するだろう。いよいよ平和国家とオサラバ。米国と一緒に戦争をすることになると、国民は覚悟した方がいい。
実は9日の参院決算委員会で、そうした集団的自衛権の本質的な議論が行われていた。安倍に気を使ってか、大新聞は断片的にしか報じていないが、行使容認によって起こりうる最も重要な部分、つまり「日本人の犠牲者が出る」ということについて、民主党の江崎孝議員が安倍を問いただした。ところが驚くことに、安倍はマトモに答えないどころか、逆に笑い飛ばしたのである。
■麻生財務相とニヤニヤ
江崎議員はかつて安倍が著書で〈日本が攻撃を受ければ米国の若者が血を流すが、日本の自衛隊は憲法解釈によって血を流すことはない。集団的自衛権の行使で双務性を高める〉と主張していたことに言及。ベトナム戦争で韓国軍から32万人の死傷者が出たことをパネルにして見せ、こう言った。
「過去に集団的自衛権を認めていたら、日本の若者もベトナム戦争で血を流していた。あなた方は、そういうことをやろうとしているんですよ」
安倍が掲げる「日本人が乗った米艦船を防護する」事例についても、江崎議員は「この事例は、日本が(米国と戦っている国に)宣戦布告することになるから、日本が攻撃を受ける。そこまで国民に示さなければおかしい」と迫った。
だが、こうした核心を突いた質問に、安倍は隣の麻生財務相とともに終始ニヤニヤ。「ミスリードばかり」「委員(江崎議員)が行っている議論は私たちの議論と別次元」と見下し、全く取り合わなかった。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「安倍首相はあたかも日本の防衛のように言っていますが、集団的自衛権とは米軍と一体となって行動することだと、これまでの日米関係で明確になっています。現に、アフガニスタンの戦争の時、日本は米国に自衛隊派遣を求められました。当時の福田首相は<日本は法律があるからできない>と断ったが、集団的自衛権の行使ができるようになれば、米国にNOと言えるわけがない。イラク、アフガンの戦争で米国と一緒に戦った国々から合計1200人以上の戦死者が出ました。日本も自衛隊員から犠牲者が出て、日本の本土や海外邦人が狙われることを覚悟しなければなりません」
集団的自衛権の本質を隠す安倍に、国民は命を預けていいのか。